チュベローズ

 

 

 

江國香織の本は好きだな。

 

最初に読んだ本は

「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」

セレクトが悪かったのかな、全然世界観に入っていけなくて、すぐ飽きちゃって。

 

 

でも、ちょっと時間があってまた別の本を読んだらすっごい読んでて心地よくて、あ〜これあつこのことかいてるんかな?って思う感覚になるんだよね。

 

そう思ったらもうむこうの勝ちだよね。泳ぐのに、を読んでも楽しかった。

 

作品に出てくる男の人が好き。

いけないことしてても、なんか愛おしいし、身勝手な言い方をしてもそれが嘘じゃないってわかるし。

なんで女の人なのに男の人の仕草とかあんな繊細にかけるのかな。すごいね。

 

もちろん女の人の行動や心理もほんとにひとつひとつの描写が丁寧。(実体験なのかな)

 

フィンガーチョコの銀紙を丁寧に剥がして、伸ばして、耳のところで銀紙の揺れる音を楽しむ。

 

どんな音楽がでてくるのかもおもしろい。

プレスリーがでてきたり、クラシックを聴いたら、尾崎紀世彦がでてきたり。作品と一緒に聴きたくなる。

 

 

あと絶対外せないのがお風呂。

お風呂のシーンがほんとに好き。

あつこがお風呂好きになったのは、ウエハースの椅子を読んでからかな。

それを読むまでお風呂楽しくなかったし、さっさとあがりたかったし、そこに幸福はなかったかな。

 

 

 

 

江國香織の本を読むとその世界に引き込まれる人とそうじゃない人がいて、引き込まれた人はいつのまにか生活が江國香織の主人公みたいになってる。